案件とは
案件はひとつの出願や契約など取り扱いの対象となっている事柄を指します。
必ず一意の「社内整理番号」が付与され、「社内整理番号」をキーに管理を行います。
案件種別・国内外区分・出願種別とは
案件の作成は、「メニューバー>案件>案件作成」より行います。
「案件種別」「法域」「国内外区分」「出願種別」の組み合わせごとに案件作成ボタンが表示されますので、
該当する案件作成ボタンを選び作成を開始します。
例えば、日本の特許(優先権なし)であれば、「出願(案件種別)ー特許(法域)ー純国(国内外区分)ー通常出願(出願種別)」を選びます。
案件種別 | |
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出願 | 仮想案件に対して出願案件と呼ぶ 案件作成時点で出願が確定していない見積依頼なども、今後出願につながる案件は出願案件で作成する |
仮想案件 | 優先権主張した基礎案件で、期限等の管理が不要の案件に使用する 通常案件より管理項目が少ないため、期限等を管理したい案件は出願案件で作成する |
係争 | 他社の権利に関する係争案件(当事者系審判、裁判請求)に使用する 自社管理案件の係争(査定系審判、裁判被請求)は出願案件の「審判異議」タブと「データベース>係争アクション」タブで管理する |
契約 | 通常実施権・専用実施権等の管理等に使用する |
営業秘密 | 営業秘密等に使用する |
その他 | その他の管理に使用する |
国内外区分 | |
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純国 | 日本出願人が日本特許庁に出願する場合に使用する |
内外 | 日本出願人が外国特許庁に出願する場合に使用する |
外内 | 在外出願人が日本特許庁に出願する場合に使用する 外内で案件作成すると、「データベース>受任」タブ「受任書誌」テーブルに「在外期限F」に自動でチェックが入る 「在外期限F」にチェックがあると、標準アクショントリガ設定、発送書類マスタ(OAアクション設定)の在外期限が適用される |
国内外区分 | |
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通常出願 | |
国内優先 | |
分割出願 | |
変更出願 | |
実新登録に基づく出願 | |
US継続出願 | US用 |
US再発行出願 | US用 |
仮出願 | US用 |
本出願(変更) | US用 |
本出願(優先権) | US用 |
PCT出願 | WIPO出願 |
PCT展開 | PCT展開後の各国 |
EPC展開 | EPC展開後の各国 (EP出願自体は通常/パリ/PCT出願) |
香港標準 | |
マカオ拡張 | |
EA展開 | |
その他出願 | |
関連意匠 | |
一括出願 | |
一括出願個別 | |
補正却下に基づく出願 | |
ハーグ出願 | WIPO出願 |
ハーグ個別 | ハーグの各国 |
ハーグ外内 | 外国出願人がハーグ経由で日本に出す場合用 |
防護標章 | |
マドプロ出願 | WIPO出願 |
マドプロ外内 | 外国出願人がマドプロ経由で日本に出す場合用 |
マドプロ再出願 |
仮想案件とは
root ipは、出願ごとに案件を作成し、案件に親子関係を持たせることで優先日、原出願日等を正しく計算します。
そのため、優先権案件は基礎案件を作成し、ファミリを構築する必要があります。
実質的な管理が不要な優先権主張の基礎案件や、外内案件の基礎案件は「仮想案件」で作成できます。
仮想案件は、出願案件と異なり、出願人や発明者、発明の名称等を入力するテーブルは無く、期限管理も行いません。
最低限の情報だけ入力する非常にシンプルな作りになっています。
例えば、譲渡案件の基礎案件などにご活用いただけます。
また、庁連携案件作成においては、対象案件に、
・みなし取り下げとなった基礎出願
・親PCT出願
・パリ優先の基礎出願
など、基礎案件があり、システム内にその案件がない場合に、仮想案件が作成されます。
出願案件の優先日等を正しく計算するため、特許庁のデータに含まれる出願日、出願番号の限られた情報から基礎案件を「仮想案件」として作成し、
対象案件のファミリーが構築されます。
案件を作成する
- 「メニューバー>案件>案件作成」をクリックします。
- 作成する案件が該当する案件作成ボタンをクリックします。
例えば、日本の特許の国内優先権案件であれば、「出願(案件種別)ー特許(法域)ー純国(国内外区分)ー国内優先(出願種別)」を選びます。 - 案件作成画面に切り替わります。
- 各項目を入力し、「登録」ボタンをクリックして、案件作成は完了です。
各項目の説明はヘルプをご参照ください。
入力のヒント
- 基本操作は「基本操作」ご参照ください。
- グレーアウトされている項目は、変更できません。
- 項目名横に青字で「M」と表示されている項目はマスタ管理がされています。
マスタ管理されている項目に入力する場合はプルダウンからマスタを選択します。 - 選択するマスタが作成されていない場合は、マスタを新規追加します。
マスタの新規作成は案件作成の途中でも可能です。詳細は「マスタを作成する」をご参照ください。 - 案件作成画面で入力した内容は、案件作成後、案件の「データ>サマリまたは基本書誌」タブより確認と変更が可能です。
- 各項目の解説はヘルプマークのシステムヘルプをご参照ください。詳細は「ヘルプ機能」をご参照ください。
- 案件作成コピーが可能です。詳細は「案件コピー」をご参照ください。

案件の整理番号を変更または登録する
案件作成後、整理番号の設定画面に切り替わります。
入力は必須ではありません。変更・入力したい欄に番号を入力し「更新」ボタンをクリックして設定します。
更新は一項目ずつ行います。

№ | 項目 | 説明 |
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① | 社内整理番号 | 整理番号ルール設定に基づいて自動付与された案件の整理番号です。 |
② | 社内整理番号 | 社内整理番号を変更したい場合に、この欄に入力します。 「更新」ボタンをクリックすると、左側の社内整理番号が入力した番号に変更されます。 |
③ | 出願整理番号 | 願書に記載する整理番号です。 特許庁HTML添付を行う際に案件と紐づけるキーとなるため、出願整理番号が決定している場合はここで入力すると効率的です。 |
④ | 出願人整理番号 | 共願人の整理番号です。 |
よくあるお問い合わせ
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案件作成時、出願人の発明者以外の発明者(社外の発明者)を登録したいのですが、候補に表示されません。
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案件作成時、「発明者」テーブルの社外F欄の「社外発明者」を選択いただくと
出願人に所属しない社外の発明者を選択することが可能です。
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出願人名義変更(特定承継/一般承継)時の管理の仕方について教えてください。
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該当出願人の全案件を承継後の新社名に変更する場合は、出願人マスタの名称を変更することで、案件データ上の名前も一括で新社名に変更できます。
承継前の旧社名の記録は、出願人マスタの備考欄や、案件メモ、などにご登録いただけます。
承継しない案件がある場合や、旧社名のマスタを案件に残しておきたい場合は、新旧どちらかのマスタを新規作成の上、「データベース>受任」タブ「出願人」テーブルにご登録ください。(この時メモ欄に「旧社名」等入力すると分かりやすい)名義変更手続の経過を管理する方法は、以下のような運用が考えられます。
- 手動でOAアクション「提出書類:出願人名義変更届」を登録し、目安の期限をたてる(対象案件すべて、もしくは対象案件のひとつにアクションを登録する)
- 案件タグ「名義変更中」を作成し、対象案件に付与する
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同じ商標を各国に出願します。優先権関係がないのでファミリーではないのですが、案件をまとめて管理する方法はありますか?
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案件をファミリーに追加いただき親子関係を設定しないという管理はいかがでしょうか。
ファミリーツリー欄では、親子関係はないのでツリー形式ではなくポツンと案件の丸が表示される形になり、ファミリー一覧では各案件が表示されますので一元管理ができるかと思います。- いずれかの案件の「ファミリ」タブをクリックします。
- その案件にファミリがない場合は、本件はファミリ案件ではありませんと表示されます。この表示があるときは「ファミリ案件として設定する」ボタンをクリックします。
- ファミリーツリーの下に表示される「ファミリー案件追加」欄に「追加したい案件の社内整理番号」を入力し「ファミリ案件追加」をクリックします。
- ファミリが追加され、ファミリツリー上は線がつながらないポツンとしたファミリーになります。
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裁判(審決取消訴訟、不正競争防止法差止など)案件はどの案件種別で作成すればよいですか?
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原告の場合は、相手の案件情報はシステムにないので、新規に「その他係争」を作成ください。
被告の場合は、既に出願案件があるので、その中で管理ください。
アクションについては、以下のような運用が考えられます。
・審決取消訴訟は、標準アクションもしくは係争受アクションの「審決取消訴訟出訴」マスタで登録する
・不正競争防止法差止は、新規マスタを作成の上係争受アクションに登録する事件番号は専用の入力欄がないためユーザ定義番号欄をご活用ください。ユーザ定義番号は「案件検索(全項目)」から検索いただけます。
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PCTの国内移行で日本を指定した場合(自己指定した場合)、どの案件種別で案件作成をすればいいですか?
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「出願ー特許-内外ーPCT展開」をご選択ください。
国内外区分を「純国」で管理する場合は、こちらのQ&Aをご確認ください。自己指定の記録はPCT出願案件「データ>出願」タブ「PCT書誌」テーブル「自己指定種別」で行います。
なお、自己指定により国内出願が取り下げられることになりますが、システム内の国内基礎出願のステータスは自動では切り替わりません。
必要に応じて国内基礎出願案件に「最終処分」等を記録ください。
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出願が未定の発明提案のような案件は、どの案件種別で案件作成すればよいですか?
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案件種別に「発明提案」の種別はありませんので、出願案件で作成し、受任書誌テーブルの「仮作成F」にチェックを入れて識別することをおすすめします。
「仮作成F」は基本的に識別のためのものですが、チェックを入れると案件状態が常に「仮受任」となり、案件状態が切り替わらないという仕様になっています。
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係争案件の「異議申立」や「審判請求」と出願案件の「審判異議」タブはどのように使い分ければよいですか?
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係争案件は、他社の権利に対して、異議申立てもしくは無効審判の請求をする場合に使用します。
「データベース>受任」タブの依頼人には権利の出願人を入力し、「データベース>異議申立/審判請求」タブの「依頼人」は出願人とは別に依頼人を管理する場合にご利用ください。出願案件の「審判異議」タブは、自社の権利に対して、異議申立てを受けたもしくは無効審判の請求を受けた場合に使用します。
審判に関する「審判種別」マスタは一つになっており、案件種別に関係なく請求・被請求どちらも表示されますので、該当するマスタを選択しご登録ください。
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存続期間の延長(例えばUSのPTAの登録をする時)はどのように案件に登録したらよいですか?
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①案件メニュー「データ>年金」タブにて、「延長登録」にチェックを入れ、延長(年)(月)(日)に延長期間を入力します。
「延長登録」にチェックを入れることで、「データベース>出願」タブの「権利満了日」にも延長された期限が反映されます。
「延長登録」にチェックが入っていないと計算されませんのでご注意ください。期間延長は、「延長登録出願をして認められれば延長」という流れなので、日数などのデータと、実際に延長されたかのフラグは分ける仕様しています。
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外国語書面出願の案件作成方法や翻訳文提出の期限のたて方について教えてください。
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外国語書面出願用の案件種別はありませんので、通常通り出願案件を作成します。
翻訳文提出の期限は以下の手順で作成されます。- 案件の「データ>出願」タブをクリックします。
- 「特許書誌」テーブルの「編集」ボタンをクリックします。
- 「外国語書面出願F」にチェックを入れ、「更新」ボタンをクリックします。
- 案件に出願日が登録されると、「外国語出願翻訳文提出」のアクション作成キューができるので、確認の上登録します。
すでに出願日が登録されている場合は、
・手動で「外国語出願翻訳文提出」アクションを登録
・案件の「データ>出願」タブの「出願日」を空白で更新し、再度「出願日」を入力して更新して「外国語出願翻訳文提出」のアクション作成キューを登録
にてご対応ください。
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